5月22日、老人ホームの介護職員が虐待疑惑でまた逮捕されました。

 

事件が起きたのは、埼玉県春日部市の高齢者介護施設「フラワーヒル」

 

この施設の男性介護職員(介護福祉士)(29歳)が2月17日、
入居者の女性(84歳)の胸などを殴って、全治1か月の怪我を負わせたということです。

 
警察によると、男性職員は「いらいらしてやった」と容疑を認めているといいます。

 
恐ろしいのは、その直前にその施設の入居者3名が相次いで死亡していること。

 
死因は心筋梗塞や脳梗塞などで必ずしも虐待によるものとは限りませんが、
なんとこの3名に怪我した女性1名の4名とも、第一発見者がこの男性職員だということです。

 
死亡した3名にも同容疑者が暴行を加えて、その結果死亡した疑いがもたれています。

 
 

こうした施設職員による虐待は、繰り返し起きています。

 
記憶の新しいところでは、
今年の2月、神戸市の老人ホーム「はぴね神戸学園都市」で起きた入居者に対する暴行事件。
介護職員3名が逮捕されました。

 
3名は、73歳の女性入居者の頬や腕を殴ったり、腹部を圧迫したりしていました。
不審に思った入居者の家族がビデオカメラで隠し撮りして発覚しました。

 
 
こうした介護職員による虐待を防止することはできないのでしょうか。

 
高齢者虐待防止法は、高齢者が虐待されていると疑いをもったときは、
市町村区に通報することを義務付けています。

 
施設運営者も、施設内で虐待が起きたら、市町村区に報告する義務があります。

 
今回逮捕された男性介護職員が高齢者介護施設「フラワーヒル」に着任したのは2月13日。
入居者が相次いで死亡したは2月15日から18日だったそうです。

 
死因からは虐待とは思われなかったものの、いずれもその男性職員が発見したこともあり、
「フラワーヒル」の施設運営者は2月20日に春日部市に通報。

 
これを受けて春日部市と埼玉県が2月22日に「フラワーヒル」に立ち入り調査を実施。

 
2月20に春日部市から警察にも連絡されたものの、
すでに火葬されていて死体解剖はできませんでした。

 
その後、春日部市が「フラワーヒル」の全職員の聞き取り調査等を実施したものの、
目撃情報はなく、被害者からも証言が得られず虐待とは断定できなかったそうです。

 
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高齢者の虐待は密室で行われることが多く、
被害者である高齢者が適切に被害を訴えられないことが多いのです。

 
虐待自体を発見するのも難しいだけでなく、
虐待行為を証明するのはさらに難しいのが現実です。

 
今回の「フラワーヒル」のケースについて、
春日部市の調査は、適切だったのか検証する必要があるとは思いますが、
調査が適切に行われても、虐待と断定できなかった可能性があります。
市町村区の調査といっても、ほとんど権限らしいものはなく、役に立ちません。

 
施設の対応は、反省するべき点があったはずです。
例えば、入居者の1人目が亡くなった時点か遅くとも2人目の時点で、
この男性職員の担当を外すなどの対応をしていれば、
被害を少なくすることができた可能性があります。

 
厚生労働省の調査によると、
介護施設などの職員による虐待の相談・通報は、平成23年度687件(過去最多)。
虐待と認められたケースは前年比151件(57・3%増、過去最多)でした。

 
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わたしは、つねづね高齢者虐待防止の要は、職員教育にあると言っています。

 
事後的な対応では限界があります。
大切なのは事前予防です。

 
職員の意識に、高齢者虐待が悪いことである、
絶対にやってはいけない。
 
そうした意識を植え付ける。
それが肝要です。

 
時間はかかりますが、定期的に研修などを実施して地道にやっていく。

 
それが老人ホームなどの高齢者介護施設における
高齢者虐待防止の要だと思います。

 
施設関係者の方は是非、お考えください。

 
ちなみに、私は高齢者虐待分野を得意としておりますので、
研修についてご相談に応じることができます。

 
 
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