橋本徹大阪市長(43歳)の「従軍慰安婦」をめぐる一連の発言が問題になっていますね。

 

さらに、6月15日に出演したテレビ番組でも、橋本市長の失言が問題になったそうです。
 
テレビ大阪の「たかじんNOマネー」という番組。
 
 
橋本徹市長が生出演し、「従軍慰安婦」問題をめぐる橋本市長の発言について、
 
コメンテーターと橋本市長が討論していたそうです。
 
 
そのなかで、橋本市長は、
 
「やはり有権者の方は冷静だなと。小金稼ぎのためのコメンテーターとは違いますよ」と発言。
 
その発言を受けて、3年間も同番組のコメンテーターを務めていたタレントの水道橋博士さん(50歳)が、
「橋下さんが小金稼ぎと言ったので、僕今日で番組を降ろさせていただきます」
 
と言って、番組終了前に出て行ってしまったのです。
 
 
まあ、ここで政治うんぬんを取り上げるつもりはありません。
 
失言の当否を取り上げるわけでもありません。
 
 
ただ、今回の番組での発言で、気になった方もいるとおもうのですが、
 
名誉毀損罪や侮辱罪に当たらないの?
 
という疑問です。
 
 
そこで、今回は、名誉毀損罪と侮辱罪の要件について、説明したいと思います。
 
 
刑法第230条1項 (名誉毀損)
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
 
 
まず「公然」であることが必要です。
 
「公然」とは、不特定または多数の者が見る(知る)ことができる状態をいいます。
 
これでも分かりにくいですね。
 
「不特定」とは、1人、2人などの少人数でも、誰が見るか分からない場合です。
 
駅構内だとか、店舗など、公共の場があたります。
 
「多数」は、文字通り多人数のことですが、
 
例えば、学校のクラスのように、人数が多いときは、「不特定」じゃなくてもいいのです。
 
 
次に、「事実を摘示」することが必要です。
 
この事実は真実か虚偽かを問いません。
 
真実である事実を指摘しても、名誉毀損になるのです。
 
 
「人の名誉」であることが必要です。
 
この「人」には、人間だけでなく、会社などの法人も含まれます。
 
「名誉」とは、社会的評価です。
 
「名誉を毀損」するとは、社会的評価を低下させることです。
 
 
でも、社会的評価が下がったかどうかなんて、詳しく調査しないと分からないですね。
 
ですから、社会的評価を低下させる危険を生じさせればよいとされています。
 
 
第231条(侮辱)
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
 
 
侮辱罪は、やはり「公然」であることが必要ですが、
 
「事実を摘示」する必要はありません。
 
 
「侮辱」とは、平たく言うと、人の感情を害することです。
 
 
例えば、「あいつは窃盗をやった」というのは、名誉毀損
 
「あいつは大馬鹿だ」というのは、侮辱です。
 
 
第232条1項 (親告罪)
この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
 
名誉毀損罪も、侮辱罪も、被害者が告訴をしないと、起訴することができません。
 
つまり、犯罪として処罰されません。
 
 
今回の番組内で失言は、「侮辱罪」になる可能性がありますが、
 
おそらく告訴がないので、刑事事件にはならないでしょう。