私の母は、今年の3月に胃瘻(胃ろう)になってしまいました。

口から食べることができなくなったのです。

 

飲み込む力(嚥下)がなくなってしまったため、

仕方がないことなのですが、

「食べる楽しみ」という、高齢の母にとって、

とっても大切な「楽しみ」を奪うことは、

非常に切なく、かわいそうなことでした。

 

「食べる楽しみ」もなくなって、

一日、ボッーとして過ごしている母を見るにつけて、

生きている意味があるのか?

と、考えてしまう。

 

そんな状況でした。

 

しかし、ちょっとは、ほかの「楽しみ」もあるのかもしれない。

そう思えるようになってきました。

 

幸いなことに、入居していた老人ホームでは、胃ろうも受け入れていただけたので、

(注:胃ろうになると、退去させられる老人ホームが多いと聞きます)

病院を退院して、自分の部屋に戻ることができました。

 

介護士の方々から、あたたかく迎えていただき、

ホームに戻った時には、私にも見せなかった笑顔を見せました。

 

そして、先月、老人ホームのレクレーションのひとつである、

「お化粧教室」に参加したようで、

その写真をもらいました。

 

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実は、母は以前からも、このレクレーションに参加していました。

私もその場に同席してことがあるのですが、

20名程度の参加者(もちろん女性だけですが)が、

5名の指導員(資生堂のお姉さん)のサポートを受けながら、

1時間の間に、お化粧をして楽しむイベントです。

参加者の皆さん、笑顔で、とても楽しそうに、お化粧をしています。

 

母もよく参加していたようですが、

どちらかというと、参加させられていたほうで、

母はあまり楽しそうではなく、

指導員に助けてもらって、

無理やりお化粧をしている。

そんな感じでした。

 

胃瘻(胃ろう)になってから、このお化粧教室に参加したのは、

今回が初めて。

 

私は立ち会えなかったので、そのときの様子は分かりませんでしたが、

お化粧教室に参加できたこと自体、良かったなと思うのです。

 

母にとって、ちょっとは楽しみになっていると思うのです。

「食べる楽しみ」は奪われてしまいましたが、

お化粧という、数少ない楽しみができたことは、

良かったと、素直に喜んだ次第です。

 

    老活弁護士 大 竹 夏 夫