代表者:依頼当時60歳
業 種:ソフトウエア開発
負債額:法人約3億円
    代表者個人約3000万円(このほか会社の保証として約1億5000万円)

 

A社は、平成4年に、コンピュータのソフトウェア開発及びコンサルティングを主たる業務として設立されました。

 

A社の代表であるCさんは、設立直後から、自身の人脈で、大手電機メーカーP社の関連企業や東京都など、大口の顧客を獲得していました。

 

A社は、従業員を50名ほど雇い、こういった取引先からソフトウェア開発を請け負っていました。

A社が請け負う開発は、納品までに1年近くかかるような規模のものばかりで、そのため注文を受けてから開発代金がA社に入金されるまでには1年以上の間がありました。

 

A社は、事業資金や開発資金を銀行などから借り入れて賄っていましたが、開発が終われば、取引先からの入金は確実にされていたため、予定していた資金繰りが狂うことはなく、事業は順調でした。

 

ところが、平成21年ころ、受注した開発を中国へ外注していたところ、納期を大幅に徒過してしまい、またその完成した商品の出来が悪かったことから、開発の一部がキャンセルとなるトラブルがありました。

 

それにより、A社は7500万円以上の損失を出してしまいました。

 

さらに同年10月ころ、外郭団体から約1億円の仕事を受注していたところ、民主党政権の事業仕分けにより発注元が仕分けの対象となってしまい、その仕事がキャンセルとなってしまいました。

 

立て続けのトラブルにより予定していた売上げがなくなってしまったため、A社は、借入金の返済や資金繰りに窮し、急場しのぎにノンバンクから融資も受けるようになりました。

 

またA社が、P社グループの企業・厚生年金関係のソフトウェアの開発を一手に担っていたところ、当時の政権が年金制度の改革を打ち出したことから、平成22年9月に、その開発も中断となってしまいました。

 

この中断により、この開発に関わっていた従業員約30名が、仕事が無い状態となってしまいましたが、いつ開発が再開するかが分からない状態では、この関わっていた従業員を他の仕事に従事させることもできずに、結果、人件費ばかりがかさんでいました。

 

こうしてA社の経営状態は一気に悪化し、次第に、従業員への給与の支払いも遅れるようになっていきました。

 

このような相次ぐトラブルと給与の遅配により、平成23年1月ころまでに、50名ほどいた従業員のうち、40名ほどが一気に退職してしまいました。

 

A社は人手不足により、大規模な開発の仕事が受けられなくなってしまいました。

 

A社は、銀行からの事業資金借入れの返済にも困るようになり、Cさんはレセラに相談にいらっしゃいました。

 

A社は大口の顧客からの信頼を得ていたため、会社の存続も検討しましたが、Cさん自身が会社の資金繰りに疲れ果てていたこと、残った従業員も退職する意思を示していたため、会社を閉鎖し、破産申立てを行いました。

 

現在Cさんは会社員として勤務していますが、資金繰りに奔走しない今の生活がとても幸せだとおっしゃっています。