代表者:依頼当時30歳
業 種:美容室経営
負債額:法人約2000万円
    代表者個人約0円(このほか会社の保証として約2000万円)

 

Hさんは,美容師として若くして独立し,自営で美容室を経営していました。平成15年にこの美容室を法人化して,T社を設立,Hさんが代表取締役になりました。

 

このとき,Hさんが個人名義で銀行から事業資金として借りていた400万円ほどを,T社が債務引受をし,Hさんがそれの連帯保証人となりました。

 

このころ美容室の経営は,若干ではあるものの黒字でした。

 

しかし,平成16年以降,近隣に競合店が次々と開店したことで,T社のお客は徐々に減っていきました。その結果,資金繰りは徐々に苦しくなり,平成18年ころから,銀行から運転資金の追加融資を受けるようになりました。その全てに,Hさんは連帯保証をしました。

 

平成20年ころ,Hさんは新規顧客獲得のため,更に追加融資を受け,看板の設置や店舗サイトの開設などを行った。

 

しかし,それでも売上げ増にはつながらず,苦しい経営は続いていました。Hさんは,何度もこのまま美容室を続けていっていいものか悩んだそうです。しかしそのたびに,長年通ってくれるお客さんや,一生懸命働いてくれている従業員のことを思い,いつも美容室を閉店させる訳にはいかないと思い直し経営を続けました。

 

ところが平成23年12月末,資金繰りを試算していたところ,翌月以降の資金が不足することが明らかになりました。また,この数年の売上げペースでは,現在の銀行からの借入れを完済できる見込みがないということも分かりました。

 

Hさんは大変悩まれて,レセラに相談にいらっしゃいました。

 

Hさんは,これ以上経営を続けていくことが難しいことは分かっているので店舗を閉めたいが,必死で働いてくれている従業員さん達のことが心配で,どうしてもその決断ができないとおっしゃっていました。

 

そこで弁護士が,今であれば,従業員さん達に当月分の給与と解雇予告手当,規定どおりの退職金を支払うこともできるが,来月まで経営を続ければ,従業員さんたちの手当を支払う払う原資も会社にはなくなってしまうのでは?と問いかけたところ,Hさんも納得され,平成23年12月末日をもって店舗を閉鎖,破産申立てをすることを決意されました。

 

Hさんが気にしていた従業員さん達は,Hさんの知り合いの店舗などに,数ヶ月のうちにそれぞれ無事再就職が決まりました。

 

また,会社とHさん自身の破産手続きも無事に終わり,現在Hさんは美容師とは別の特技を生かし,会社員としていきいきと働いていらっしゃいます。