有期労働契約の無期労働契約への転換(18条)

 

3 クーリング期間

 

「通算契約期間5年超」をカウントする際、原則として6か月以上の空白期間(クーリング期間)がある場合には、その前の契約期間は通算されません。

 

「クーリング」とは、空白期間(=無契約期間)の前の有期労働契約の期間をリセットすることです。

 

有期労働契約者が離職した後に、もう一度同じ企業で働くのが事実上困難となってしまう事態を防ぐ趣旨に基づきます。

 

例えば、有期労働契約者として4年間勤務し、貯まったお金で海外へ留学に行った後、同じ会社で働きたいと思って応募しても、クーリングがなければ、会社としては、あと1年で無期転換申込権を取得する労働者を採用することに、二の足を踏むかもしれないからです。

 

クーリング期間の長さは、カウントの対象となる有期労働契約の契約期間によって異なります。

 

(1) カウントの対象となる有期労働契約の契約期間が1年以上の場合、クーリング期間は6か月以上必要です。これが原則です。

 

例えば、契約期間1年の有期労働者が、2年間勤務した後、9か月の空白期間を経て再度働き始めて3年間勤務していたとしましょう。

この場合、もう一度更新すると契約期間の合計は6年になります。

しかし、6か月以上の空白期間(=9か月の空白期間)がありますから、最初の2年間の契約期間はカウントされないので通算契約期間は4年間となり、「通算期間5年超」=無期転換申込権の発生とはなりません。

 

それでは、同じく契約期間1年の有期労働者が、2年間勤務した後、3か月の空白期間を経て再度働き始めて2年間勤務し、また3か月の空白期間を経てから1年間勤務し、もう一度更新した場合は、どうでしょうか?

おわかりのとおり、空白期間はいずれも6か月以上ではありませんから、クーリングされません。

したがって、契約期間は通算され6年間になりますから、「通算期間5年超」=無期転換申込権が発生します。

 

(2) カウントの対象となる有期労働契約の契約期間が1年未満の場合、クーリング期間は、その直前の有期労働契約の契約期間の2分の1以上必要です。

なお、2分の1にした際、1か月未満の端数は、1か月に切り上げます。

 

例えば、カウントの対象となる有期労働契約の契約期間が3か月の場合、2分の1は1.5か月です。

したがって、空白期間が2か月以上あればクーリングされますが、2か月未満ですと、その前の有期労働契約の契約期間も通算されることになります。

 

以上のクーリングに必要な空白期間を整理すると、次のとおりです。

契約期間

必要な空白期間

2か月以下

1か月以上

2か月超~4か月以下

2か月以上

4か月超~6か月以下

3か月以上

6か月超~8か月以下

4か月以上

8か月超~10か月以下

5か月以上

10か月超~

6か月以上

 

最後に、カウントの際の注意点です。

 

育児休業を取得するなどして勤務していなかった期間があっても、労働契約関係が継続していれば、その期間も通算します。

 

また、有期労働契約の契約期間における「1か月」とは、契約期間の初日から起算して翌月の応当日前日までをいい、30日を1か月として端数処理します。

 

さらに、複数の有期労働契約の契約期間に1か月に満たない端数がある場合は、その端数を合算して30日となれば、これを1か月とカウントします。

 

例えば、2か月25日で契約が終了し、1か月の空白期間を経て、3か月15日で契約期間の満了を迎えたとすると、契約期間は5か月+40日ですから、これは通算6か月10日とカウントすることになります。