突然ですが、母が入院しました。
母は約2年前から認知症になり、
埼玉県内の有料老人ホームに入居しています。
数mなら歩けますが、基本は車椅子。
認知症も進んで、かろうじて私の名前が分かる程度。
母の話では、私はまだ大学生だったり、無職だったりします。
先週、突然、入居していた老人ホームから私の携帯に電話がありました。
「38度以上の高熱があるので、病院に連れて行きます」
そして、そのまま入院。
当初は、インフルエンザが疑われました。
老人ホームの同じフロアにインフルエンザに罹った人がいたからです。
インフルエンザにも罹っていました。
ただ、母はインフルエンザの予防接種を受けていましたし、
早い段階からタミフルを服用していたので、
こちらは問題ありませんでした。
そして、もう一つ。
肺炎になっていました。
「誤嚥性肺炎」(ごえんせいはいえん)です。
みなさん、誤嚥性肺炎をご存知でしょうか?
食べ物や飲み物を飲み込むことを「嚥下」といいます。
「誤嚥」とは、要するに、正常に食べ物等を飲み込めず、
肺に入ってしまうことです。
若い人なら食べ物、飲み物が肺に入ろうとしたら、むせます。
それで食べ物が肺に入るのを防いでいます。
ところが、高齢になると、飲み込む力が衰えてきます。
その結果、「誤嚥」が起きるようになります。
誤嚥によって食べ物が肺に入ると、肺に炎症を起こします。
これが「誤嚥性肺炎」だそうです。
母は、入院した翌日に誕生日。
満83歳になりました。
飲み込む力が衰えてきています。
実は誤嚥性肺炎は今回で2回目。
昨年9月にも1度入院しています。
今回も高熱と酸素不足に陥ったので、
入院して点滴と酸素吸入、そして抗生物質で炎症を抑えてもらいました。
医師によると、今回も症状は軽く、炎症も治まってきたので、
比較的早く退院できるということでした。
前回と同じくらい、一週間程度で退院できる見込みです。
医師は「早く退院させないと体力が衰えます」とおっしゃります。
ごもっともです。
もともと母は2年前までは身体も悪いところはなく元気だったのです。
ところが、認知症で入院してから、半年であっという間に
車椅子生活になってしまいました。
入院すると、体力が落ちます。
誤嚥性肺炎を防ぐために、老人ホームでは、食事を工夫してもらっています。
ご飯をお粥にしたり、硬い食べ物は柔らかくする、とろみを付ける等です。
しかし、母は飲み込む力が衰えているので、
これからもたびたび誤嚥性肺炎は起きてしまいます。
さらに、飲み込む力が衰えたら、
胃ろう(胃に穴を開けて食べ物、水分、薬を投入する)や
首や鼻から栄養分を摂取する方法をとることもあるそうです。
これでは食事とはいえないですよね。
食べる楽しみっていうのが、生きるうえで、とっても大切です。
それがなくなってしまったら、
苦しむだけだったら、
生きている意味があるのだろうか。
そう思います。
私は、母には、苦しんでまで生き延びてほしくないので、
そのような方法はとらないでくださいと医師にお願いしています。
延命治療の問題、重いですね。
母自身とよく話をして、自分で決めてもらえばよかったと
後悔しています。
母が退院したら、遅ればせながら、
誕生日を祝いたいと思っています。
(2013年3月8日 老活コンサルタント 大竹夏夫)
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